パソコンをしゃぶり尽くそうー『「知」の技術研究会』の部会報告ー

 

パソコンそっちのけの知的論議

 パソコン歴4年、あれここれ苦闘のすえ何とか自前のホームページ(http//plaza24.mbn.or.jp/~massan/『増さんの政治教室』)も立ち上げた。古稀に近い高齢者(と本人は思っていないが)としては、まずまずのところ、とひそかに思っていた。

 と言ってもパソコンは奥が深い。ドッグサイクルと言われているように寿命も短い。ちょっと目を離したスキに機種はどんどん変わるし、ソフトも変わる。OSもウィンドウズ95から今や98の時代だ。そのうえマスメディアから「インターネットを使えなければこれから生きていけない」と言った脅しがくる。

 そんな矢先、「パソコンについてお互いに教えられたり教えたり、コリャ結構じゃないか」と、中野稲門会会報の部会「パソコン」の名前に惹かれて申し込んだのが運の尽き(?)だった。

 第1回会合は、8月18日午後6時半、場所は当会事務局長Hさんの勤務先。当日の出席者はHさんと出版社勤務のIさんと小生の3人。HさんもIさんも団塊世代、それに2回り近い年上の小生。たった3人というなかれ、議論は2時間以上に及び、その内容は濃く熱気に溢れていたことだ。

 つまりパソコンを習うとか、機種はどれがよいかとか、ソフトをどうするかなどはそっちのけ、パソコンは知的生産にどう役立つのか、パソコンをツール(道具)として考えたら21世紀文化はどう変わるetc.etc.・・・。

 つまりパソコンを知的ツールとしてトコトンしゃぶり尽くそうと言うのが部会の目的なのだ。そのうえ将来この成果を一冊の本にまとめようとの遠大な野心も。

 その挙げ句、次回(9月22日)まで野口悠紀雄著『「超」整理法』(中公新書)を読んで感想を書くという宿題が全員(と言っても3人だが)に課せられた。

 私事にわたって恐縮だが、9月上旬から10日間、中国、河西回廊・敦煌の旅に出掛けたが、(これは小生のライフワークの『シルクロード全行程を往く』の第四回目に当たる)部会の宿題を果たすため旅先のホテルのベッドに新書を持ち込んで読まされる羽目になった。

  人生に磁石の鉄棒を建てよう!

 第2回会合も場所、顔ぶれは同じだが、新たにパソコン専門家とも言うべきIさん(早大広報室勤務)とHさん(印鑑会社社長)の同窓も加わり、自己紹介もそこそこに前述の宿題の感想文を中心に侃々諤々の知的論議が始まった。

【読後感想文の要約】

◎雑誌社勤務のIさん=磁石に鉄粉が引き寄せられるように50歳までに自分の人生に鉄棒を建て知的情報を吸引する。そのため、これまでワープロとしてしか使っていなかったパソコンに改めて挑戦する。また50歳までの人生のマトメとして「家族史」を作る。さらに、GOLFのスコア、住所録などのデータ類の整理を行う。

◎事務局長のHさん=パソコンのハードやソフトの発展(技術革新)のテンポが速く、まるで生鮮食料品並み。常に新製品を購入できる者はよいが、一定期間使用続けようとする者にとってはなはだ不便。従って旧型のパソコンの機種、OS、ソフトの解説書や雑誌などの保存や再評価を心がけるべきだ。

◎小生=野口氏著の『「超」整理法』は、<押し出しファイリング>など書類や資料の整理法として画期的だ。だが、自分の背丈に似合う整理法は所詮、自分で構築するより仕方がない。つまり100人いれば100人の整理法が存在する。

 

 ともあれ経歴、肩書き、年齢を忘れ早稲田に学んだという唯一のつながりで秋の夜が更けるまで議論が続いた。そのせいか、いつまでも快い知的興奮の余韻が残った。

 

 ビギナーのための教室も

 もちろん議論はそれだけではない。インターネット運営に熟知する早大広報室のIさんは、インターネットの活用をこの部会でも大いに取り上げるべきだと提唱した。Eメールを利用することによって会合の事前案内や会員の消息にも役立つと言う発言があった。また中野稲門会のホームページの開設も今後の検討課題になった。

 さらに稲門会会員のなかには「パソコンをやってみたい」とか「インターネットを覗いてみたい」という人もいるに違いない。そう言う人が気軽に立ち寄ってパソコンのイロハから勉強できる教室のようなものができるとよい、という提言もあった。 

  そこで第3回では、そうしたテーマをさらに掘り下げることにした。第3回会合は10月23日(金)、宿題テーマは「諏訪邦夫著『パソコンをどう使うか』(中公新書)を読んで」、

 第4回会合は、11月20日(金)午後6時半、(株)新日警内、宿題テーマは「新聞切り抜き(スクラップ)」、スクラップについて考えること、スクラップから考えたことをまとめる。是非ご参加を。

(増山記)

 

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