◎シリーズ ワセダウーマン 2
  オーケストラから短歌の道

坂田宏子(沼袋・昭和41年文)

音楽、短歌の他に、絵もお描きになるという、多趣味の坂田さん。どの趣味もとことん極めている所が、さすがワセダ・ウーマンです。

【全学ストでレポート卒業】

 私は都立西高校を昭和三七年三月に卒業し、同年四月に早稲田の第一文学部東洋史に入学した。三学年の時に転専修をし、昭和41年に仏文学専修を卒業した。大学時代は、勉強が忙しかったと同時に、クラブ活動も忙しかった。
 三七年入学の学生達は、四年生のとき、授業料値上げ反対・学園民主化を掲げて、全学ストライキをして、とうとう最後の期末試験ができず、レポートを提出して卒業した。私は学園民主化のためのクラス・サークル協議会に参集して社会参加・フランス語でアンガージュマンをした。

【小沢征爾さんの指揮で第九を弾く】

 ヴァイオリンを弾いていたので、クラブ活動は入学してすぐに早稲田大学交響楽団に入部した。早稲田大学交響楽団は三学年まで参加していた。二回も、我がオーケストラはベートーベンの第九交響曲「合唱」を演奏した。幸運なことに、有名になった小沢征爾さんと岩城宏之さんに指揮をしてもらって第九の演奏会を開いた。
 いつもは山岡重信さんが指揮をしてくださった。山岡さんは、早稲田大学の理工学部を卒業で、プロのオーケストラでヴィオラを弾き、指揮者コンクールに入選し、指揮者としても活躍された。現在は、日本大学芸術学部音楽学科に指揮者の傍ら、教鞭をとっておられる。

【地方公演も早稲田の絆で】

 ところでオーケストラの練習は、部室が夏目坂の途中にあるお寺の集会所で、夏になると蚊にさされた記憶がある。私が二年生の時は、夏の演奏旅行で、東北地方、北海道地方を周り、大いに頑張ったものだった。演奏会を準備するものとして、現地の早稲田大学出身者がとりもって下さって、演奏会を開くことができた。

【一生涯の趣味、短歌と出会う】

 今はヴァイオリンを弾くことはやめてしまったが、一生涯続けて自分自身を高めていく道をみつけた。それは、趣味として短歌を作ることである。もうその短歌の道も二十年位続いている。音節五七五七七の短い中に、季語は入れなくてよいし、俳句の五七五よりは長いので、私の思いを比較的自由に歌えるので、今でも続いているわけだ。
私の気に入った歌は、
「一面の菜の花の色 陽に映えて 我が倦怠を優しく包む」
「自転車の籠に折りたる銀杏の葉 蝶の形の秋はたまれり」
等、何百首か作ったが、まだ歌集を出版するまでにはなっていない。

 短歌会は「短詩形文学」という同人誌を月一回発行している。
短詩形文学規定 短詩形文学は<変革の意志と叙情>をひろばとする。
会員は、東京歌会に早稲田大学卒業者も数名参加している。
興味のある方は、ぜひご参加下さい。

■短詩形文学発行所
〒206-0031 多摩市豊ケ丘2-1-1-206 日野きく方
電話・FAX (042)374-3792 振替00270-5-4888短詩形文学
購読会員費・月額600円(短歌投稿3首)
同人費用・2000円(誌代を含む/短歌投稿5首)

写真=全国集会「春雪忌」。後列左から7人目。

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