伝統芸能部会

「粋な唄、声」のつどい

「二人が中に置炬燵、酒の幾げんの爪弾きは好いた同士のさし向かい……」
春日師匠の透き通った声、切れのよい三味の音、そして粋な言葉に集まった同好の人たちは聞きほれました。
10月21日の事です。
師匠の丁寧な説明と、皆さんの熱心な質問等々。
男と女、江戸文化を語る、熱い時間はあっと言う間に2時間が過ぎました。
爪弾きという三味の独特の音色、唄と三味線のかけあいの味、芝居の科白(せりふ-ルビ)、時に新内の手が入ったり、等々、数分の小唄の中に、私はドラマを感じました。
何と言っても、狭い部屋で、生(なま-ルビ)の声を聞くという事は、ホールやテレビとなどどは全く違う、生身(なまみ-ルビ)の心のふれあいを実感しました。

次回は「何にふれようか」と各々、楽しい夢を胸に、茜(あかね-ルビ)色に染まった空きの夕暮れ、家路につきました。
(近藤喜佐雄/松が丘・昭二九年商)

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